1. HOME
  2. 活動レポート
  3. 学ぶ場やお vol.3 トークセッション「 コラボで生き抜く時代」〜×88を実現するために我々ができること~

学ぶ場やお vol.3 トークセッション「 コラボで生き抜く時代」〜×88を実現するために我々ができること~

SMALL GIANTS AWARD 2019の特別賞である「ローカルヒーロー」を受賞された木村石鹸工業の木村洋一郎社長×DIYの革命児の株式会社友安製作所 友安啓則社長によるトークセッションを開催しました。

ファシリテーターは行政の異端児 松尾泰貴さん。

タイトルの「コラボで生き抜く時代」はみせるばやおで掲げている3年間で88個のコラボを実現するための想いなどを中心にお話しいただきました。すでに2社でコラボ商品である手作りアロマスプレーキット「LOMA ルームフレグランスアロマミスト」を完成、販売をスタートさせています。

アイデア、スピード、実行力。どれが欠けても実現しない「コラボ」をどのような方法でこの短期間で完成させることを可能にしたのか?

お二人の経歴はとても興味深い。成功が約束されているIT企業の取締役の座を退いてまで家業を継ぐ決意・意味、16歳で渡米しMBAを取得、アメリカでの成功を約束されていたにも関わらずあえて日本の家業である線材加工製造業を継ぎ、事業を拡大。お二人の生き方、考え方は今後の八尾の企業にとっても必要不可欠なはず。

開催日時
2019年2月8日(金)
時間:17時00分 ~ 19時30分

事業承継のきかっけって?

ファシリテーターを務める八尾市の松尾です。

まずは皆様へお二人がどんな方なのか知ってもらうために、「どんな事業で起業したのか」そこから「なぜ事業承継したのか、事業継承したキッカケについて」お聞かせ願います。

うちは祖父がネジ工場を創業し、親父の代で線材加工の製造に取り組み、線状の鉄を曲げてS字フックやカーテンレールについているカーテンフックなどを製造し始めました。

そのような中、私は高校の頃からアメリカに留学してDJをしたり、大学院でMBAを取得し、友人と日本の車のエンジンやパーツを輸入する会社を起業しました。

そんな最中、海外で働いていた私に母親から「お父さんがおばあちゃんになっちゃった!」と連絡が。

私のおばあちゃんは認知症を患っており、同じような状況になってしまったと伝えたかったということなのですが、その連絡を受けて緊急的に一時帰国。

結果として親父は一過性健忘症であったため一時的な症状で済みました。

しかし、家族の状況を踏まえ国内で働くことを選択肢として就職活動に取り組み、日本でも商社に採用は決まっていたんですが、この出来事を機に、物心ついた時から、親父に会社に連れられ、得意先に行くといつも「アトツギやね」って言われながら育てられ、「いつか親父と仕事をしてみたい」と心の片隅に想っていたことを思い出しました。

この想い親父に伝えると「留学までさせてMBA取得して何で町工場で線材曲げに帰ってきてん!」と大反対。

何度も説得を試み「既存の事業には絶対に関わるな。自分の給料(月15万円)を稼げる事業を半年以内に作り出すこと。それが出来ないなら諦めろ。」を条件として入社させてもらいました。

そこで、何かアメリカで留学した経験などを活かせないか検討したところ、カーテンレールやカーテンの値段設定とブランド数に着目。自社ブランドを立ち上げて輸入販売を行えば事業となると考え、3本のカーテンレールを輸入販売したことが始まりです。

この事業の背景には、「なぜ日本ではホームパーティしないのか」という素朴な疑問がありました。そこでホームパーティしたくなるような家を創り出せばいい。

そのためにDIY(Do It Yourself)の文化を広げる事業に取り組もうと考えましたが、インテリア商材が日本では価格が高すぎることに気づきます。

そこで手頃な価格で買えるようにノーミドルマン戦略(仲介業者を抜くこと)を取り、自らが直接海外からの輸入販売する戦略で事業化に繋げることが出来ました。

私の覚えでは自身が高校生時代の友安製作所は30人くらい社員がいたのですが、緊急帰国した10数年前には10名以下に。

しかし、新しく取り組んだ輸入販売の事業を中心にDIYやインテリア事業が軌道に乗って、今では90名近い従業員がいます。

僕は友安さんとは真逆で、八尾を早く離れて都会、東京とかで仕事したかったんです w
今は「八尾でよかったな」と思っていますが。

そんな想いから大学も京都の大学に入学し、当時所属していたサークル仲間とベンチャー企業を立ち上げ、最近までほとんど八尾のことは知りませんでした。

会社を立ち上げてからは家業のことはすっかり忘れていたし、製造業という古臭い会社に入るつもりもさらさらなく、どんどん家業から遠のいていました。

しかし、実は母親から「家業に戻ってきてほしい」と何回もしつこいくらい連絡がありました。もちろん断っていましたが。
親父も僕に継がせることを諦めたのか、一度当時の工場長に継承させました。

しかし、経営手法で揉めて再び親父が社長に。
そのような経緯も含めて再度僕に家業を継ぐように打診があったので、外資系の化粧品会社の元役員を紹介。
親父とも馬が合い承継しましたが、外資系独特の利益追求型の経営が現場とうまくいかなかったんですよ。

そこから親父もわざわざ東京まで説得に来たりしてくれたんですが、その道中で親父が倒れたと母親から連絡が。

さすがにここは自分が継ごうと決意しました。
実際に会社に入ってみると、今までイメージが悪かった家業ですが入ったらめちゃくちゃ魅力的なことをやっているのでびっくりしました。

うちは写真にあるように石鹸の原材料を釜で焚いて石鹸の材料となる粉から製造しています。

今は海外からこの原料をほとんどの石鹸工場は輸入して石鹸を作っているわけですが、うちはこんな非効率なことをしている。

でもそこが製品へのこだわりにも通じていると感じたので、非効率で見せたくないと従業員が思っていることを『魅せる化』することにまず取り組みました。

従業員からはカメラマンを入れたりしたら、とても反対されましたが、HPなどが出来上がると見る目が変わってきて、今では釜焚き製造する人がヒーローみたいな扱いです w

コラボ商品発売をFB投稿で知った?

さて、友安さん、木村さん、みせるばやおの出会いから晴れてコラボ製品「LOMA」が出来上がったわけですが、出来上がった経緯などをお聞かせ願いますか?

商品の説明も含めてお聞かせください。

商品の説明は自分で好きな香りに調合できるDIYアロマキットです。

経緯については詳しくは知らない…

僕もよくわかっていないw
そもそも友安さんがFACEBOOKに上げているのを見て初めてこんなの作ってたんだと知ったw
YOUTUBEの動画も作っていただいてw

えっ!て思われた方が大半だと思います。
そもそもこのトークセッションはコラボ商品に紐づけて行おうと思っていたのに、その根底を覆すようなコメントをなんとお二人から頂いたのでw

最初、松尾さんからの紹介で「八尾で面白い社長いるよ」って木村さんを紹介されて、友安フェスでワークショップのコラボ企画から始まったのを覚えています。

ワークショップの中で精油を混ぜて自分好みのアロマオイルを作れちゃうよってやつです。そのワークショップをしのちゃんも参加してて。

LOMA

そうですね。でもそっからは…

何となく友安さんところにうちの会社の入社一年生のしのちゃんが行ってたことは知っていましたが、何しに行ってるんやろうなぁと。
まぁ会社も近いので、友安さんのところの広報担当の方にいろいろ教えに行ってもらってるのかなぁくらいにしか思っていませんでした。

うちも同じですw
よく木村さんとこの子とうちの従業員(sammy)が打合せしてるなぁと。

ここからお二人の会社の制度や、なぜコラボに行きついたのかのヒントを紐解いていきたいと思います。

みなさん、「社長大丈夫か」と思われたかもしれませんが、実は、この裏に会社の制度とういか仕組みのすばらしい取り組みが隠されています。

社員のモチベーションってどうやったら上がるか?

まず木村さん、以前にある雑誌で紹介されてましたが「モチベーションを維持する全員参加型の取り組み」として社員のみならず、従業員が主体的に動き出したきっかけや仕掛けがあれば教えていただけますか?

うちでは昔、稟議書や決済などめちゃくちゃあったんですよね。
でもその稟議書って社長に回ってきた時にはもうやることが決まっている。
そんな稟議書にハンコを押す意味あんのって。

だからそんなものは時間の無駄だし、なくしちゃいました。

うちには社長決裁でこれができるとか、課長だからこれできるって決めてない。
自分プロジェクトっていって従業員がやりたいって思った事業に関しては誰でも挑戦できるようにしている。

その代わりそこには「責任」っていうものがあって。
日本では結構、責任ってネガティブな意味合いで使われていますが、責任って自分でやり始めたんだから、途中で投げ出さずに本来、やり遂げるって意味合いのはず。

だからその覚悟があるなら誰でも挑戦できる環境を整えてあげることが大切だと思うんです。

うちもリーダー制を引いていて事業ごとに社長にいちいちお伺いしないでいいようにしている。
実際一人で見きれる従業員の数は20~30人が限界です。

1年目のしのちゃんがこのコラボ商品をやり遂げたのは本当にこういった会社のバックアップや社内の人の理解があったおかげなんですね。
友安さんのところでもそういったリーダー制を整えていたからこその成果ですね。

そうですね。でもすごいって思ったのが、結構、簡単な商品と思われがちですが、今回の商品は容器とかも種類が多くて、しかも製造現場の人間も動いてもらわないとやり遂げれない商品なんですよ。

うちではパッケージのデザインやプロモーションを担当させていただいたようですw
おそらく。動画が公開されていることも会社のFB投稿で知りました。

ここまではコラボ商品の完成秘話をご紹介いただきましたが、社員さんが主体的に動いている会社同士だから成功したように思えます。

さて、みせるばやおでは友安製作所さんと木村石鹸工業さんによるコラボ商品のように、88個のコラボプロジェクトを会員同士で3年間でやりましょうというのを掲げています。

少し「裸男とリーダーシップ」という有名な動画をまずみてもらいましょう!!

どうですか。コラボって最初はやろうよってどちらかからの働きかけから始まるんだと思うんですが、しよう!っていう方も大事ですが、最初のフォロワーが大事で、そのあとは参加する人が増えるごとに小さな流れだったのが、大きな流れとなり、社会を変えるようなイノベーションの波を作ることを動画は教えてくれたと思います。

みせるばやおではこの流れを作る人も大事だけど、最初のフォロワーにぜひみなさんもなってほしいなと考えています。

コラボで失敗なんて怖くない!!行けばわかるさ!

さて話題もコラボの真相に入っていきたいと思います。コラボってそもそも重要と考えますか。

失敗しないコツなんかも含めて先陣切ったお二人にお話しいただければ。

失敗がダメなんですかねぇ。
僕らは、やったことで失敗だったとはそもそもあまり思わなくしてるんで。

僕らはドラッグストア向けの商品も大失敗して、撤退しましたけど、、でも、まぁ、良い勉強になったと思ってます。

今やってる細かい雑貨系市場ってすごい面倒くさいですけど、ドラッグストア、ホームセンター向けの失敗があるので、皆の納得感もあるというか。

大きくて効率良い市場は競争激しいってことを、身をもって体験したんで。

ですね。
コラボした商品が良いんじゃなくて、過程が大事かと。後は副産物が実は1番の収穫になるかと。

会社のブランディングにはやはり効果ありますね。

大事ですよね。過程って。確かに失敗から学ぶことは多いです。
この人と、この会社とコラボするんだっていうきっかけとかはあるんですか?

フィーリング。
その場の雰囲気とかで決めちゃうと失敗するんじゃないですかね。

儲けようとしない。win-winの関係を金銭的な成功みたいなところだけに置くと、だいたい失敗になるんじゃないですかね。
で、一回失敗したと思うと、もうやりたくないとか、警戒したり。

コラボってなんで重要なの?!

平野レミさんとのコラボ、白Tさんとのコラボに取り組んでみました。
どっちも売上とか利益という面では、全然ですけど。

でも、PR効果とか、そのつながりで紹介してもらえた人脈とか含めると、取り組んですごく良かったですよ。
で、それをSNSにシェアするでしょ。

うちは、営業とかは自分のお客とかにブログのことをメールで伝えたりする。

そういう記事読んだとこから、またそんなんできるなら、こんなんできないか?と相談が来る。

うちも人気アーティストの創作園藝課さんとのコラボ商品を作ったり、デザイナーのNiJi$uKe(ニジスケ)さんとのコラボ商品に取り組むことで一社では実現できない発信力が生まれています。

異業種とのコラボであればあるほど、今までにない接点とか相談につながる可能性あるんで、面白いですよね。

一緒にやってて楽しい人たちと、いいもん作ろうと試行錯誤するのはとても楽しいことですよ。
言われたことやるのとは全然違う。

コラボってどっちが上とか下とかがないか、そこもいいんじゃないかと。
仕事にやらされ感がない。

うちは東京の浅草橋と大阪の阿倍野にCAFEを運営しています。
当社の製品であるインテリア商材で内装を整備し、それぞれに値札を付けることでその場で購入も可能です。

これは、カフェ事業だけで利益を出そうということではなく、従来のインテリア商材市場だけではリーチしないオシャレなカフェが好きな層に商材をリーチさせる入口としてカフェ事業を位置づけており、既存事業とのコラボで相乗効果を生んでくれているので、このみせるばやお内のみなさまとも今後も積極的にコラボしてきたいです!

みせるばやおでは地域、地元との連携ができる。地域、地元のブランディングはすごく重要だと思うんですよね。

その地域が面白い地域だと多くの人に知ってもらえると、ビジネス上のメリットはすごくあると思いますが。これは2Cでも2Bでも。

うちはみせるばやおで商品であったり、イベントであったり、かなり多くのコラボをしています。
その度に、八尾にもこんなすごい会社があったのかと毎回、いろいろな経営者の方々も含め、お話していると楽しいんですよ。

仕事は楽しい!を基本に持てばいろいろ広がります!
ぜひ地域一体となって、コラボレーションしていきましょう!!

学術的に。。。「コラボレーションとは」

ファシリテーター松尾

最後に、学術的に。。。
MIT経済学者マイケル・シュレーグの著書で、1990年代に『The New Technologies of Collaboration ~独創力から競創力の時代へ~』の中で「これからの時代は効率化やコミュニケーションから一歩踏み込んでイノベーションやコラボレーションの時代の到来だ」と言及しています。

企業が競争力を上げるためには、新しい価値を生み出すことが重要であり、そして、「新しい価値」を生み出すのに必要なのが”コラボレーション”。

コラボレーションを促進するためには、”共有された場”でメンバー同士がアイデアを出し合い、議論することが重要。

まずは、すぐに集まれる場の設置やツールの変更など身近なところから環境を変えてみることが、コラボレーション促進の近道になる。

まさにすぐに集まれる場っていうのが、みせるばやおなんじゃないかと思います。

最後に、問い『価値観の違う他人と仲良くなれるか?』

この会場にいらっしゃる方々が新たにコラボしていこうよって意味を込めて、動画を見てもらいたいと思います。

「○○だからと偏見でこの人とは話さない」は抜きにして、一度、対話から始めてみませんか?

かの有名な天才科学者アインシュタインは「常識とは十八歳までに身につけた偏見のコレクションのことをいう。」と言及しています。
人間の脳はすごく賢くて、ステレオタイプ的認知といって物事を見たり、聞いたりした際に、今まで自分が経験したことを元に事実を自分の都合よく解釈してしまう。

「公務員だから、仕事が遅い」とか我々はよく言われる文脈です。
しかし、この動画のように価値観や所属する組織が全く違う人でも出会い方によっては、こうして対話することができます。
今日はそんな会にしましょう!!ありがとうございました。

登壇者プロフィール

友安社長

友安 啓則
株式会社友安製作所 代表取締役社長
1978年 生まれ

高校1年の2学期にアメリカへ留学。大学院にてMBAを取得後、商社へ就職。2004年に商社を退職するまでの10年間をアメリカで過ごす。
アメリカより帰国後、家業である線材加工製造業を営む株式会社友安製作所へ入社。
2004年インテリア部門、2009年にエクステリア部門を立ち上げる。
2016年代表取締役社長に就任。

木村社長

木村 祥一朗
木村石鹸工業株式会社 代表取締役社長
1972年 生まれ

1995年大学時代の仲間数名と有限会社ジャパンサーチエンジン(現イー・エージェンシー)を立ち上げ。
以来18年間、商品開発やマーケティングを担当。
2013年6月にイー・エージェンシーの取締役を退任し、家業である木村石鹸工業株式会社へ入社。
2016年9月、4代目社長に就任。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事